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青森県支部平成30年第1回継続研鑚研修会報告
 投稿日時: 2018-05-18 (305 ヒット)
1.はじめに
  今回の研修は、土構造物の維持とふとん籠について専門家に解説していただき、当地域の関連技術者の実務の参考になることを目的としたテーマとした。
2.講習会の内容
日時:平成30年5月11日(金)
場所:八戸工業大学・土木棟3F C310教室
参加者:83名
講演テーマ:
Ⅰ.高速道路の土構造物維持について
((株)ネクスコ・エンジニアリング東北 道路技術部 土工・トンネル課 澤野幸輝氏)
Ⅱ.古くて新しいふとん籠
(日本大学工学部准教授 仙頭 紀明氏)
Ⅰ.高速道路の土構造物維持について
軟弱地盤に高速道路盛土を行う際の問題点は建設段階と維持管理段階の2段階に区分できる。
 建設段階では盛土の破壊に対する安定性、過大な沈下及び周辺地盤の変形等に対し安全に建設できるかどうか、維持管理段階では継続する沈下、不動沈下及び砂質地盤では地震時の液状化等に対し平坦性を維持できるかである。
 主な軟弱地盤対策工は、すべり抵抗の増加対策工と残留沈下量の抑制対策工があり、一般にはこれらを複合して対策するが、この組み合わせが悪かったため、現時点においても変状が断続的に発生している盛土の事例について紹介していただいた。
 また、アンカー施工した切土のり面の維持管理について、日常的な目視点検の重要性やグラウンドアンカー施工でのメンテナンスの必要性についてご講演をいただいた。
Ⅱ.古くて新しいふとん籠
 ふとん籠は、もともと竹や柳を編んで作った円筒状のかごに石を詰めた蛇籠として紀元前三世紀頃の中国四川省都江堰の築造に使われた。西暦400年から600年頃、日本に伝来され、江戸時代には河川改修や災害復旧工事で多用され、現在では亜鉛メッキ鉄線等により耐久性と生産性が飛躍的に向上している。
 2008年の岩手・宮城内陸地震では宮城県栗原市の重力式擁壁の設置による谷埋め盛土の崩落があったが、2011年の東北地方太平洋沖地震では、地震動への追随性、盛土地下水の排水効果を期待してふとん籠を設置した盛土箇所は無被害であった。
 このことから、ふとん籠を施工した盛土内部の地下水位を測定し、降雨変動と地下水位の関係を明らかにすること、及び数値解析を行い、現場計測データと比較することでふとん籠による排水効果を評価した結果、ふとん籠設置による地下水位抑制効果が確認でき、特に、ふとん籠近傍の水位が抑制されていることが、安定性の向上に寄与したものと考えられるとしている。
 ふとん籠の補強土壁への利用の可能性についてジオテキスタイルを併用した研究の結果、ふとん籠タイプは鋼製枠タイプに比べて、極限荷重及び降伏変位、降伏荷重ともに1.3倍あり、安定性及び変形抑制に優れていることがわかった。
 また、大地震におけるふとん籠補強土壁の挙動について、2次元永久磁石地震波振動台による、入力地震波神戸波TypeⅡ-1-1では、壁面及び背後地盤が一体となって挙動し、沈下及び水平変位の抑制効果が確認された。また、ふとん籠の壁面からの抜け出しは見られなかったが、下段から中段のふとん籠が圧縮変形することで、壁面はくの字の様に前傾し、壁面変形に伴い背後地盤の沈下が見られたとしている。
 今後の課題として、中国横断自動車道時重トンネル付近に施工された実物ふとん籠補強土壁の測定、観察及び模型実験によるふとん籠の排水性を加味した検討を進めるとしている。
                                    CPD委員会 嶋本勝 記
 


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