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青森県支部平成30年度第2回継続研鑚研修会報告
 投稿日時: 2018-07-02 (273 ヒット)
1.はじめに
  平成30年6月に、青森県支部第7回年次大会と併せて継続研鑚研修会を開催したので、研修会の実施結果を報告いたします。
2.研修会の内容
日時:平成30年6月29日(金)
場所:青森市「ウエディングプラザ・アラスカ」
参加者:47名
講演テーマ:
Ⅰ.「産学官」連携による防災工学の実践~来るべき南海トラフ地震に備えて~
  講師:高知大学教授 原 忠氏
Ⅱ.青森県の土木遺産と人材育成について~形態デザインの視点から~
    講師:八戸工業大学教授 阿波 稔氏
3.講演の内容
Ⅰ.「産学官」連携による防災工学の実践
 我が国は全国的に地質が複雑で、点在する活火山・活断層が内陸型地震を誘発し、プレート境界部では周期的に地震、津波が発生する。平野部の軟弱地盤では沈下や地震による液状化の発生に加え、太平洋側の台風災害・豪雨災害、日本海側の豪雪災害、山間地では斜面崩壊が頻発する等、我が国は自然災害大国と言える。
 この様な状況の中で、南海トラフ地震の発生が切迫した状況にあり、その被害予測によると被害は30都府県750市町村におよび、想定死者数約32万3千人、経済被害額は約220兆円と甚大で、高知市内のほとんどが海抜0m地帯であることから高知市中心部は地盤沈降・液状化・津波の複合災害により長期浸水が予測されており、高知県では南海トラフ地震への備えとして、命を守る、命をつなぐ、生活を立ち上げるとした行動計画を策定している。
 高知大学では、理学的視点に基づいた自然現象の解明、工学的視点に基づいた国土環境に関わる様々な防災・減災対策に関する研究・対策案の立案、社会学・医療学からの地震発生後の応急対策や早期復旧・復興を目指したソフト面の研究等、地域の実情を勘案しながら、教育・研究活動の成果を社会に広め、社会全体の防災力を高める取り組みを進めている。具体的には二重鋼矢板を用いた堤防補強、老朽ため池の漏水対策と地震防災対策としてのため池堤への二重鋼矢板圧入工法の適用の検討、丸太を砂質地盤に打設することで半永久的に地盤を密にする丸太打設による液状化対策&カーボンストック工法、津波火災への対応として揺れと津波に耐える新しい燃料タンクの開発、人材育成として産官学連携の合同地震被害調査、産官学住連携の防災訓練学校教職員を対象とした災害訓練の実施と効果の検証等を行っている。
Ⅱ.青森県の土木遺産と人材育成について
 土木学会選奨土木遺産は、平成12年に「土木学会選奨土木遺産」制度が創設され、事業が開始されて、土木遺産の文化的価値の評価、社会への理解等、社会へのアピール、先輩技術者の仕事への敬意、将来の文化財創出への認識と責任の自覚等の喚起とする土木技術者へのアピール、地域の自然や歴史・文化を中心とした地域遺産の核となるものであるとの認識の喚起によるまちづくりへの活用、貴重な土木遺産の保護、失われるおそれのある土木遺産の救済を目的とし、土木学会のホームページに「日本の近代土木遺産-現存する重要な土木構造物2800選-」として紹介されている。
 岩手県・青森県では、江戸時代に整備された奥州街道の一里塚群が選奨土木遺産として残されているが、近代的な道路整備に伴い、日本各地の一里塚が減失し、あるいは無関心のため損壊の危機にさらされている状況にある。
 青森県内では、三本木原開拓施設群として稲生川第1穴堰、第3穴堰及び十和田市中心市街地、尻屋崎灯台、大湊第一水源地堰堤・調整池、野辺地防雪林、大間鉄道の遺構群、十三湖水戸口突堤があるが、十和田市中心市街地の都市を碁盤の目状のグリッドに配置する計画思想は、京都から三本木へ、そして札幌へとながれ、東北・北海道の近代化に貢献した事例である。
 時代・社会・環境・地域により、土木の役割・価値(ものさし)は変化しているが、土木遺産を地域資産として捉え・活用するとともに、固有の価値を尊重していかなければならない。
 
                                      CPD委員会 嶋本 記
 


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