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第39回地域産学官と技術士との合同セミナー(青森)開催報告
投稿日時: 2019-10-30 (907 ヒット)
第39回地域産学官と技術士との合同セミナー(青森)開催報告
主 催:公益社団法人 日本技術士会
主 管:公益社団法人 日本技術士会 東北本部
実 行:公益社団法人 日本技術士会 東北本部 青森県支部
1 はじめに
2019年10月に青森市において、第39回地域産学官と技術士との合同セミナーが開催された。青森県内の日本技術士会会員をはじめとする約190名の参加者により、人口減少社会の中で、地方での技術が問われていることについて、改めて考える貴重な機会が得られたので以下に報告する。
2 概要
日程:2019年10月25日
場所:ウェディングプラザ アラスカ(青森市新町1-11-22)
プログラム: (司会 工藤亜希)
3 セミナー内容
3.1 基調講演 八戸工業大学 学長 長谷川 明氏
人口減少による社会環境の変化による課題が、国や地方の多くで取り上げられている。ここ青森県を含む北東北地域は、厳しい人口減少と高齢化を受け、技術者不足が懸念される環境の中で、インフラ老朽化社会を乗り越えていかなければならない。本講演では、1)青森県の人口減少、2)インフラ老朽化、3)地域の産学官連携の必要性、4)事例紹介、5)今後の地域の技術者のあり方等、人口減少社会を乗り越える産学官連携についてご講演をいただいた。
3.2 講演1 弘前大学 副理事 人文社会科学部教授 曽我 亨氏
若年層人口の東京一極集中を解消するために、文部科学省は平成25年度から「地(知)の拠点」事業を開始した。弘前大学も平成26年度から、地域志向の大学改革に取り組み、平成27年度からは青森県内10の高等教育機関と共に、若者の青森県内定着をめざして様々な取り組みをおこなってきた。青森県における「地(知)の拠点」事業の取り組みを紹介し、その成果と課題についてご講演をいただいた。
3.3 講演2 方独立行政法人 青森県産業技術センター 農林総合研究所 所長 小林 渡氏
青森県では、青森県基本計画の今年から始まる5年間を「選ばれる青森」への挑戦として、「人口減少克服」を本県の最重要課題に位置づけ、多くの産業で慢性的な人手不足が顕在化している中、人材環流を促進するとともに労働生産性の向上に取り組むこととしている。青森県産業技術センターにおいても、今年から始まる第3期中期計画で、センターが総力を結集して重点的に取り組む「戦略課題」として「労働力の不足等に対応するためのICT等を活用した農林水産物の生産技術等に関する研究開発」を実施しており、その取組内容についてご講演をいただいた。
3.4 事例1 方独立行政法人 青森県産業技術センター
農林総合研究所 農業ICT開発部 部長 境谷 栄二氏
青森県のブランド米「青天の霹靂」では、他県に先駆けて衛星情報を生産指導に活用し、美味しい米の生産を支援している。衛星画像から収穫適期を水田一枚毎に予想し、品質の良い状態で収穫できるよう情報提供している。また、ブランド米の生産指導を行うためのICTシステム「青天ナビ」を独自開発し、営農指導員が衛星情報を元に、「青天の霹靂」の栽培に向く水田やその水田に合った施肥対応をアドバイスする取組を進めている。
3.5 事例2 有限会社大森カウステーション 代表取締役 大森 敏雄氏
担い手や労働力不足は農業全般の課題であるが、特に酪農は戸数の減少が著しいなど、その傾向を強く感じている。酪農は、「休みがなく重労働」というイメージがあると思うが、搾乳ロボットなどの省力化技術の導入により、現場は変わってきている。新たな技術を活用して、人も時々休みながら楽しく働く、若い人が興味を持てる酪農を紹介した。
4 交流会
交流会は、セミナー会場と同じウェディングプラザ アラスカ内で行われた。講演者、来賓に産学官の技術者約80名の参加者が集い、時間を忘れて語り合う場となった。
5 おわりに
質疑応答の時間では沢山の参加者からの質問が寄せられ、講演内容に対する関心の高さを伺うことができた。「連携」をキーワードに技術士が果たすべき役割の大きさを改めて認識するセミナーとなった。 (記 CPD委員 嶋本)
主 催:公益社団法人 日本技術士会
主 管:公益社団法人 日本技術士会 東北本部
実 行:公益社団法人 日本技術士会 東北本部 青森県支部
1 はじめに
2019年10月に青森市において、第39回地域産学官と技術士との合同セミナーが開催された。青森県内の日本技術士会会員をはじめとする約190名の参加者により、人口減少社会の中で、地方での技術が問われていることについて、改めて考える貴重な機会が得られたので以下に報告する。
2 概要
日程:2019年10月25日
場所:ウェディングプラザ アラスカ(青森市新町1-11-22)
プログラム: (司会 工藤亜希)
項 目 | 主な内容 |
開会の辞 | 日本技術士会東北本部 名誉本部長 吉川 謙造 |
あいさつ |
主催者挨拶:日本技術士会 副会長 大熊 正信 来賓あいさつ: 青森県知事 三村申吾氏 青森市長 小野寺 晃彦氏 |
基調講演 |
『地域の産学官連携による技術者育成~青い森の橋ネットワーク~』 八戸工業大学 学長 長谷川 明氏 |
講 演 |
『若者の地元定着にむけた「地(知)の拠点」事業の展開』 弘前大学 副理事 人文社会科学学部教授 曽我 亨氏 『人口減少社会に対応した技術開発を目指して ~青森県産業技術センターの取組み~』 青森県産業技術センター 農林総合研究所 所長 小林 渡氏 |
事 例 |
『衛星情報を利用したブランド米の生産支援の取組』 青森県産業技術センター 農林総合研究所 農業ICT開発部 部長 境谷 栄二氏 『先進技術を活用した酪農経営の展開』 (有)大森カウステーション 代表取締役 大森 敏雄氏 |
3 セミナー内容
3.1 基調講演 八戸工業大学 学長 長谷川 明氏
人口減少による社会環境の変化による課題が、国や地方の多くで取り上げられている。ここ青森県を含む北東北地域は、厳しい人口減少と高齢化を受け、技術者不足が懸念される環境の中で、インフラ老朽化社会を乗り越えていかなければならない。本講演では、1)青森県の人口減少、2)インフラ老朽化、3)地域の産学官連携の必要性、4)事例紹介、5)今後の地域の技術者のあり方等、人口減少社会を乗り越える産学官連携についてご講演をいただいた。
3.2 講演1 弘前大学 副理事 人文社会科学部教授 曽我 亨氏
若年層人口の東京一極集中を解消するために、文部科学省は平成25年度から「地(知)の拠点」事業を開始した。弘前大学も平成26年度から、地域志向の大学改革に取り組み、平成27年度からは青森県内10の高等教育機関と共に、若者の青森県内定着をめざして様々な取り組みをおこなってきた。青森県における「地(知)の拠点」事業の取り組みを紹介し、その成果と課題についてご講演をいただいた。
3.3 講演2 方独立行政法人 青森県産業技術センター 農林総合研究所 所長 小林 渡氏
青森県では、青森県基本計画の今年から始まる5年間を「選ばれる青森」への挑戦として、「人口減少克服」を本県の最重要課題に位置づけ、多くの産業で慢性的な人手不足が顕在化している中、人材環流を促進するとともに労働生産性の向上に取り組むこととしている。青森県産業技術センターにおいても、今年から始まる第3期中期計画で、センターが総力を結集して重点的に取り組む「戦略課題」として「労働力の不足等に対応するためのICT等を活用した農林水産物の生産技術等に関する研究開発」を実施しており、その取組内容についてご講演をいただいた。
3.4 事例1 方独立行政法人 青森県産業技術センター
農林総合研究所 農業ICT開発部 部長 境谷 栄二氏
青森県のブランド米「青天の霹靂」では、他県に先駆けて衛星情報を生産指導に活用し、美味しい米の生産を支援している。衛星画像から収穫適期を水田一枚毎に予想し、品質の良い状態で収穫できるよう情報提供している。また、ブランド米の生産指導を行うためのICTシステム「青天ナビ」を独自開発し、営農指導員が衛星情報を元に、「青天の霹靂」の栽培に向く水田やその水田に合った施肥対応をアドバイスする取組を進めている。
3.5 事例2 有限会社大森カウステーション 代表取締役 大森 敏雄氏
担い手や労働力不足は農業全般の課題であるが、特に酪農は戸数の減少が著しいなど、その傾向を強く感じている。酪農は、「休みがなく重労働」というイメージがあると思うが、搾乳ロボットなどの省力化技術の導入により、現場は変わってきている。新たな技術を活用して、人も時々休みながら楽しく働く、若い人が興味を持てる酪農を紹介した。
4 交流会
交流会は、セミナー会場と同じウェディングプラザ アラスカ内で行われた。講演者、来賓に産学官の技術者約80名の参加者が集い、時間を忘れて語り合う場となった。
5 おわりに
質疑応答の時間では沢山の参加者からの質問が寄せられ、講演内容に対する関心の高さを伺うことができた。「連携」をキーワードに技術士が果たすべき役割の大きさを改めて認識するセミナーとなった。 (記 CPD委員 嶋本)
- 令和2年度『技術セミナー』の開催について(ご案内) (2020-09-03)
- 令和2年度継続研鑚(CPD)委員会活動計画 (2020-05-22)
- 第39回地域産学官と技術士との合同セミナー(青森)開催報告 (2019-10-30)
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- 第39回地域産学官と技術士との合同セミナー(青森)開催のご案内 (2019-09-20)
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