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Activity introduction

活動紹介

活動紹介

第3回継続研鑽研修会

日時:令和2年11月21日(土)
場所:八戸工業大学土木棟ITルーム
参加者:21
講演テーマ
. コンクリートの表層品質と耐久性 八戸工業大学准教授 迫井裕樹氏
. 海岸侵食と道路防災 八戸工業大学教授 加藤雅也氏

 . コンクリートの表層品質と耐久性/八戸工業大学准教授 迫井裕樹氏
 
コンクリート構造物の品質確保・耐久性向上において,外部からの劣化因子の浸入に対しバリア機能を持つ表層コンクリート(かぶりコンクリート)の品質が重要となる。表層の定義は決まっていないが、かぶりコンクリートの部分を表層と考えている。1987年にK.Newmanはコンクリートの品質が打設面、型枠面及びこれらを除いた中心部等で一様でないことを指摘している。表層品質の評価方法は物質移動抵抗性による方法として表層透気試験、表面給水速度及び電極法等がある。密実さや強度による方法としては超音波伝搬速度、ビッカース硬さ、リバウンドハンマー及びプルオフ強度等による方法、その他として水銀圧入により細孔量や細孔分布等の細孔特性による方法等がある。材料・施工・養生などの要因が表層品質に及ぼす影響について圧縮強度と表層透気係数の関係では水和率が同等であれば、圧縮強度は養生の相違に関わらずほぼ一致するが、透気係数は養生の相違による差異が極めて大きいことから、養生の相違が物質の移動経路となる連続空隙の形成状況に多大な影響を与える可能性があるといえる。表面含侵材による表層品質の改質は、初期塗布ばかりではなく再塗布によっても効果は得られる結果である。

迫井裕樹氏講演状況

 . 海岸侵食と道路防災/八戸工業大学教授 加藤雅也氏
 
海岸の背後には住宅地,農地,道路などがあり,人や資産・施設を守るために各種の災害対策が図られているが,海岸侵食は抜本的な解決が非常に困難な問題である。日本の海岸延長は35,281kmと長く、このうち海岸法による海岸保全区域延長は13.7kmとなっている。砂浜の面積は約19,000haで年間約160haが浸食により消失している。海岸浸食の主な原因は砂利採取、河川構造物の構築による供給土砂の減少、沿岸構造物による沿岸漂砂の連続性の阻止、防波堤等による波の遮蔽域の形成及び天然ガス採取や地下水の過剰くみ上げによる地盤沈下が原因とされている。北海道知床半島の根室海峡に面する一般国道335号は、海食崖に近接し海岸侵食の影響が大きい道路である。本路線の管理において,道路利用者のニーズを把握するためのアンケート,現地観測,侵食対策まで行った一連の事例を紹介した。

加藤雅也氏講演状況