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Activity introduction

活動紹介

活動紹介

2022年度第2回継続研鑽研修会

日時:2022年11月12日(土)
場所:八戸工業大学番町サテライトキャンパス
参加者:15名
(1)青森県および八戸市のカーボンニュートラル に向けて(八戸工業大学教授 折田久幸氏)
(2)カーボンニュートラルに貢献するバイオプラスチック(八戸工業大学教授 信山克義氏)

はじめに


 連携協定を結んでいる八戸工業大学の協力の下、第18回八戸工業大学セミナーを開催した。カーボンニュートラル(CN)は、SDGsが目標とする目標07「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、目標09「産業と技術革新の基礎をつくろう」、目標13「気候変動に具体的な対策を」等、環境に対する直接的な影響だけではなく、経済活動などのさまざまな分野に影響を与え、SDGs達成に欠かすことのできないテーマである。

青森県および八戸市のカーボンニュートラル に向けて
(八戸工業大学教授 折田久幸氏)


 CNは、CO2の放出と吸収が相殺され、CO2排出が実質ゼロの状態になることであり、その目的は、電力流通、燃料流通、熱流通を横断する技術によりエネルギーを蓄積して、時間的、空間的にエネルギーの需要と供給をバランスさせる社会を目指すものである。

2050年のCNの目標に向けて、技術および経済社会のイノベーションが必要になるため、関係省庁は、国、自治体、企業、国内外大学等との連携強化と発信力を高める場として「大学等コアリション」を立ち上げ、八戸工業大学はこれに参加表明した。

CN社会は、各地域に適した多種多様なCNシステムと、それらを束ねる統合システムで構成され、八戸工業大学では、地域のCNを目指して地域と連携した取組を行っている。取組の1つとして、ほとんど廃棄されていた200℃以下の排熱を水から氷になる際の潜熱を利用して氷を製造することができる新型の吸収冷凍機を開発した。これを八戸港等で活用することにより、未利用エネルギーの拡大が期待される。

講師/八戸工業大学教授 折田久幸氏

カーボンニュートラルに貢献するバイオプラスチック
(八戸工業大学教授 信山克義氏)


 CNの実現を目指す中で、化石資源をはじめとする枯渇性資源の使用削減や温室効果ガスの排出抑制、海洋の新たなプラスチックごみによる汚染をゼロとしていくための必要な施策として、環境に優しいバイオプラスチックの利用が注目されている。

プラスチックは、石油を精製する過程で得られるナフサが主原料となっており、文房具や包装、家庭用品等、幅広い分野で使われている。
バイオプラスチックは、植物などの再生可能な有機資源を原料とするバイオマスプラスチックと、微生物等の働きで最終的に二酸化炭素と水にまで分解する生分解性プラスチックとの総称である。

廃プラスチックの有効利用率の低さや、海洋ゴミ問題(マイクロプラスチック汚染)等が深刻となっている中、プラスチック資源循環促進法が2022年4月にスタートし、プラスチック製品の3R(削減、再使用、再利用)の取組と再生可能な資源(紙、バイオプラスチック等)の使用が強化されることとなった。

講師/八戸工業大学教授 信山克義氏

おわりに


 カーボンニュートラルとバイオプラスチックの取組について学んだ。どちらも我々の生活環境を改善し、持続可能な社会を実現する上で必要な取組と感じた。


記事執筆/青森県支部 CPD委員 鈴木 将文